小説

「イニシエーション・ラブ」乾くるみ

イニシエーション・ラブ (文春文庫) 作者:乾 くるみ 文藝春秋 Amazon 何かを、こうだと、思い込んでいる時は 回りが見えなくなることがある。 小さな違和感を感じても きっとこういうことでは、、と 自分に都合よく解釈したがる。 事実は、思い込みが作り出…

「恋のゴンドラ」東野圭吾

恋のゴンドラ (実業之日本社文庫) 作者:東野 圭吾 実業之日本社 Amazon 交通機関が発達し いろんな場所へ行けるようになった。 たとえ、物理的に行けなくても インターネットがある。 一見すれば、世界80億の人たちと知り合いになれる可能性だってあるけれど…

「インドラネット」桐野夏生

インドラネット (角川書店単行本) 作者:桐野 夏生 KADOKAWA Amazon 著者の作品は、女性を主人公とする物語が多いが 本著は、男性を主人公とした作品である。 主人公は、風采の上がらない若者、八目晃(やつめあきら)。 仕事も人間関係もうまくいかず、人生…

「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」町田その子

夜空に泳ぐチョコレートグラミー(新潮文庫) 作者:町田そのこ 新潮社 Amazon 初めて読んだ町田その子の本は 「うつくしが丘の不幸の家」だった。 うつくしが丘の不幸の家 (創元文芸文庫) 作者:町田 そのこ 東京創元社 Amazon 短編小説的でありながら 読み終…

「燕は戻ってこない」桐野夏生

燕は戻ってこない (集英社文芸単行本) 作者:桐野夏生 集英社 Amazon 桐野夏生の著作を読む前には、必ず、自分に問いかける。 今、桐野ワールドに飛び込んでも大丈夫? 本を開けば、瞬く間に、桐野ワールドに引きずり込まれる。 そこには、女という性、社会の…

「此の世の果ての殺人」荒木あかね

此の世の果ての殺人 作者:荒木あかね 講談社 Amazon まっさらな状態でこの本を読み始めた。 物語の世界で、ぐわんぐわんと頭を揺さぶられる。 いったい、どうなってるのか いったい、どこへ向かうのか、、 ぜひ、ぜひ、なんの予備知識もないままで この本を…

「ぼくらは、まだ少し期待している」木地雅映子

ぼくらは、まだ少し期待している 作者:木地雅映子 中央公論新社 Amazon 期待と希望は違う。 希望は、マクロ 期待は、ミクロ。 つらいことがあって 理不尽なことがあって 自分の力ではどうしようもない環境に置かれ 生きていくのに困難を抱えているとき 希望…

「老害の人」内館牧子

老害の人 作者:内館牧子 講談社 Amazon 「老害」という言葉を初めて聞いたとき いやな言葉が生まれたものだなあと思ったが 気づけば、そんなこともすっかり忘れ 今では、自分の辞書の中に、この「老害」という言葉が しっかり書き記されている。 自分のこと…

「パルチザン伝説」桐山襲

パルチザン伝説 作者:桐山 襲 河出書房新社 Amazon 戦争責任は誰にあったのか。 国民はどうすべきだったのか。 この国にあったはずのもうひとつの未来を想像せずにはいられない。

「もう別れてもいいですか」垣谷美雨

もう別れてもいいですか 作者:垣谷美雨 中央公論新社 Amazon アラフィフのワタシ、この本、一気読みでした。 主人公は、還暦手前、50代後半の主婦、原田澄子。 生まれ育った小さな町で、就職し、結婚し、子どもを育ててきた彼女。 娘ふたりは、すでに独立し…