「母親になって後悔してる」オルナ・ドーナト 鹿田昌美/訳

 

 

ひとりになりたくて、夜、買い物に出る。

ひとりになりたくて、朝、散歩する。

そうして、このまま、どこかに行ってしまいたいと

何度も思ったことがある。

 

だけど、どこへも行けず、結局家に帰る。

なぜって、それは、自分が、母親だから。

 

夫や子どもに大きな不満があるわけでもない。

どちらかと言えば、自分のほうが

家族の恩恵を受けていることが多いかもしれない。

 

それなのに、時々、思ってしまう。

 

母親を、、やめたい。

 

だけど、その本心を口にできないのは

そんな母親など、いないと思っていたし

いてはいけないと思っていたからだ。

 

だから、この本を読んで、心底、ホッとした。

 

 

この社会は

女性は、子どもを産み、母親となって

社会的規範の一部として存在することを前提として

システム化されている。

 

このシステムを続けてきた先に、待っていたのは

少子化だったと思うと

今の政府が高らかに謳う「異次元の少子化対策」は

現実とは程遠い

文字通り「異次元」なのである。

 

本気で少子化対策に取り組むなら

政治家、官僚こそ、本著を読まねばならないだろう。

 

 

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※「母親になって後悔している」オルナ・ドーナト 鹿田昌美/訳

 子どものことは愛している。それでもー。

 女性は母親になるべきであり、母親は幸せなモノであるという社会常識の中で見過ごされてきた切実な想いをくみ取り、世界中で反響を呼んだ1冊。

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