「もう別れてもいいですか」垣谷美雨
アラフィフのワタシ、この本、一気読みでした。
主人公は、還暦手前、50代後半の主婦、原田澄子。
生まれ育った小さな町で、就職し、結婚し、子どもを育ててきた彼女。
娘ふたりは、すでに独立し、夫と二人で暮らしている。
モラハラ夫との関係に悩みながらも
なかなか一歩が踏み出せない澄子だったが
仲良しだった学生時代の友人の離婚をきっかけに
彼女は、自分の人生をもう一度、見つめなおしていく。
この本を、ひとりの主婦の小さな戦いの物語。。
などと、決して侮ってはならない。
この本に描かれている、情景描写、心理描写の多くが
今の日本社会のコミュニケーション不全を
モノの見事に表している。。
ちょっと、怖くなった。
それは、、
男の役割、女の役割
夫の役割、妻の役割
親の役割、子の役割
上司の役割、部下の役割
正社員の役割、パートの役割、、
などなど
私たちは、知らず知らずのうちにその価値観が摺りこまれ
長い年月をかけ、自ずから、内面化、身体化させてしまっているのではないかと思ったからだ。
もう別れてもいいですか。。
それは、誰かの価値観で生きてきた過去の自分との決別なのかもしれません。