「ルポ過労シニア」高齢労働者はなぜ激増したのか 若月澪子
少子高齢化社会は一向に改善せず、労働人口の減少は現実のものとなってしまった。
55歳定年、60歳定年の世界がついこの間まで当たり前に存在していたのが
なんだか嘘のような世の中になってしまった。
ルポ過労シニアの本の題名にドキッとしてしまったのは
過労シニアが、過労死シニアに見えてしまったから。
すっかり老眼となったワタシがこの本を手に取ったのはまさしく必然だったのか。
高齢者が70代、80代になっても働く理由はさまざまである。
年金が少なく働かなければ生活できない、引きこもりの子どもがいて高齢になっても親が養わなければならない人がいる一方で
十分な年金をもらっていても、生きがいを求めて働く人もいる。
これらは、働く高齢者としてマスコミなどで取り上げられることもあるし何となく想像できるが、本著ではさらに突っ込んだ事例があって大変興味深かった。
特に、一般的な生活水準の家庭なのに、子どもの教育費を安易にかけすぎ、定年後もそのローン返済のために働かざるを得ない現実には何とも言えないもやもやしたものを感じた。
教育で親も子も借金に苦しむ社会って、おかしくないか。
「学びを結果に変えるアウトプット大全」樺沢紫苑
本を読んでも、映画を見ても
内容をあっという間に忘れてしまうようになった。
もともと忘れっぽい性格、加えて年々年を取ってるしと
自然現象だからしょうがないよねと自分に言い訳していた。
けれど、最近、忘れることに拍車がかかりすぎていて
ちょっとまずいなと思ってきたところに手に取ったこの本。
「学びを結果に変えるアウトプット大全」樺沢紫苑
インプットだけでは記憶に定着しない。
アウトプットが学びに大切だということが
80項目にわたって分かりやすく書いてあり、すらすらと読める。
読み終えたら、アウトプットの大切さが嫌というほど分かった。
で、その大切なアウトプットのやり方を知りたいとなった。
すると、次のページからは、アウトプット力を磨く具体的な方法が
とても丁寧に解説してあって、なるほどの連続だった。
タイトルどおり、この本は、まさに「アウトプット大全」だ。
そうして、早速この本の感想を書いてみたというわけだ。
本著に紹介されていた読書感想の書き方に倣って。
インプットしたものをアウトプットしたら
あら不思議、なんだか頭がすっきりした。
いつも何を書こうかと悩んで時間がかかっていたけれど
テンプレートどおりに書けばいいと思うととっても気が楽だった。
これなら、続けられそうだ。
気負わず楽しんで、アウトプットしていきたい。
「マイナス×マイナスはなぜプラスになるのか」鈴木貫太郎
なぜか時々、数学に関する本を手に取ることがあります。
別に数学が好きだからではありません。
たぶん、私は数学が好き人間かもしれないと錯覚したいからだと思います。
そして、必ず、それはやはり錯覚でしかありません。
数学に関する本を読んでも、多くの場合、途中で挫折するし
まれに最後まで読んだとしても、はっきり言ってよく分からないからです。
なのに、それでも懲りず、またまた数学の本を手に取りました。
「マイナス×マイナスはなぜプラスになるのか」鈴木貫太郎著
今度こそ、今度こそは、数学が好きかもしれない自分を発見できるかもしれない。
しかし、やはり、駄目でした。
読んでいたら、途中で寝てしまうのです。なかなか先に進まないのです。
章のさわりの部分を読んだら、なるほど、面白いと思うのに
それが、数式による説明に進むと、途端に眠くなってしまうのです。
ということで、今回もまた残念ながら、数学好きの自分を発見するに至りませんでした。
しかし、読む人が読めば、きっと面白い本だと思います。
ちなみに、中学、高校時代のワタシの数学の成績は、まさかの5です。
この本も読んで(途中までですが)
まさしく確信したことは
学校の評価なんて、ちっともあてにもならないってことでした。
「世界99」村田沙耶香
村田沙耶香の小説は
凡人にはとても想像もつかない物語なのに
登場人物の心象心理、時代の空気、世の中の流れが違和感なく、すとんと腹落ちする。
本当にすごい作家だなと思う。
本作「世界99」は、過去作と比べてもすごかった。
上下巻2冊をあっという間に読み終えた。
何がすごかったのかをうまく言い表すことができないけど
一つ気が付いたことがあった。
これまで彼女の作品を好んで読んできたが
どうして好きなのかということが、世界99を読んでちょっと分かった気がしたのだ。
この作品のあちらこちらで、太宰治的なものをふんだんに感じ、世界観に安部公房的なものを感じた。
太宰は、人間心理を自虐も含めて、面白おかしく、そして切なく描く天才であり
安部は、物語を抽象的に表現することで、作品に普遍性をもたらす天才だと思う。
であるならば、この世界99という作品を著した村田沙耶香は、、、
この作品、女性はもちろんだが、男性にもぜひおすすめしたい。
「コンビニ人間」村田沙耶香
本を読むのは好きだけど
読んだ後は、主人公の名前もあらすじも結末も
あっという間にうろ覚えになる。
読後の自分に残っているのは
面白かったとか
不思議だったとか
もやもやするとか
そういう感覚的なものばかり。
だから、ときどき、同じ本をもう一度読みたくなる。
先日、「コンビニ人間」を読んだ。
2回目である。
読み進めながら
そうそう、こういう話だったと
内容を徐々に思い出しながらページを繰っていく。
2回目読書の醍醐味である。
今回読んでみて、あれっと思った。
古倉恵子と白羽の男女を入れ替えても全然おかしくないかも、、
この小説が世界中の人たちに読まれている理由が
ほんの少し分かった気がした。
「書いてはいけない」森永卓郎
読後、これほど動揺した本はない。
1985年 日航機123便墜落事件。
テレビが、新聞が報じることが全てだと思って生きてきた。
この本を手に取ったのは2025年。
事件からすでにもう40年が経ったのだ。
自分が何も知らずにこれまで生きてきたことにひどく動揺した。
日本という国の体制の隠ぺい体質は、戦前から何も変わってはいないのだと改めて思った。
この国の非情さに、自分が日本人であることがとてもとても恥ずかしいと思った。
それでも、この国に、日本人に、救いがあるとすれば
日航機123便墜落の真相に迫ったノンフィクション作家青山透子氏の存在
真実を知りたいという切実な思いを持った事件の遺族と関係者の存在
ガン闘病中に渾身の思いで本著を書き上げた森永卓郎氏の存在
本著を世に送り出した三五館シンシャの存在
あったことをなかったことにするこの国で
これから自分はどうやって生きていこうかと深く深く考えた。







