「老害の人」内館牧子

 

老害」という言葉を初めて聞いたとき

いやな言葉が生まれたものだなあと思ったが

気づけば、そんなこともすっかり忘れ

今では、自分の辞書の中に、この「老害」という言葉が

しっかり書き記されている。

 

自分のことばかり延々としゃべる老人

回りを顧みず自分勝手な行動をする老人

くよくよと嘆いてばかりいる老人

過去の栄光ばかり語る老人

そんな老人を前にすると

さすがに口にこそ出さないが

ついつい「あっ、老害」と思っている。

 

そんなワタシも、すでにアラフィフ。

老害」と言う側から

老害」と言われる側に着々と近づいている身。

 

時々、自分のことばかり話していてハッとしたり

夫と若いころの話で盛り上がることが増えたりして

やばっ、老人に近づいている、、

これは、老害か!?と焦ったりする。

 

いやいや、それよりも

自分はまだ若いと思っていること

まだまだやれると思っていること

そう自分に言い聞かせて、自分を奮い立たせることが

老害への道をまっしぐらに歩いているのでは、、と思ったりする。

 

老害」を笑い蔑みながら、「老害」を恐れる、アラフィフの自分。

 

内館牧子著「老害の人」を読んで

老いるとはどういうことか。

当たり前のことを当たり前に想像することを

すっかり忘れている自分に気づき、恥ずかしくなった。

 

子ども𠮟るな、来た道だもの

年寄り笑うな、行く道だもの

 

さてさて、ワタシも「老害の人」となることを恐れず

老いていこうかしら。。