「悪について」エーリッヒ・フロム
「悪」という漢字は
「亜」の下に「心」と書く。
「亜」という漢字も
「心」という漢字も
いたって普通の漢字なのに
この二つの漢字がくっつくと
「悪」になり
途端に「劣っている」「好ましくない」「正常でない」と
その意味をまとう。
「悪」という字は、見ただけで気持ちを滅入らせる数少ない漢字だ。
動物や植物は、「悪」の概念はないはずだから
悪の存在は、きっと人間固有のもの。
だから、きっと人間にしかない(とされている)
「心」が「悪」という漢字を構成しているのかもと思って
気が付いた。
「悪」の対義語である「善」には「心」がない。。
「悪」を考えることは、「心」を考えることにつながるのかもしれない。
※「悪について」エーリッヒ・フロム
『私たちはなぜ生を軽んじ、自由を放棄し、進んで悪に身をゆだねてしまうのか。人間の所業とは思えないような残虐極まりない行為が繰り返されるのはなぜなのか。悪は人間であることの宿命なのか(中略)人を悪へと導く様々な要因を究明するなかで、しだいに「人間らしく生きること」の本当の意味が浮き彫りにされていく』
「自由からの逃走」の続編であり、かつ「愛するということ」と対をなす、フロム不朽の名著。